冬の乾燥と風邪

まず初めに、冬はなぜ乾燥するのでしょうか?

これには2つの理由があります。

一つ目は日本の地形が関係しています。

冬になると西高東低の気圧配置によくなります。天気予報の時によく聞きますよね。

空気は気圧の高いところから、低いところへ流れていく性質があります。

そのため、シベリアで発生した冷たい空気が日本に向けて流れてきます。

シベリアから流れてきた空気は日本海で水分を蓄え、冷たく湿った空気になります。

その冷たく湿った空気が日本海側では雪を降らせます。

降雪で水分がなくなり、乾燥した空気は、山を越え、太平洋側に来ます。

その結果、太平洋側は乾燥することになるのです!!

そして二つ目は、暖房で温めることで湿度が低下します。

これは皆さんご存じだと思います。

湿度には絶対湿度と相対湿度(一般的に%で表示されてる数値)というものがあります。

絶対湿度とは、空気中にどれだけの水蒸気が存在しているかの量のことをいいます。

空気を加熱しても水蒸気の量は変わりませんので、絶対湿度は変わりません。

相対湿度とは、空気中に溶け込める水の量=飽和水蒸気量に対して、

実際にどれだけの量が溶け込んでいるかということをいいます。

空気を加熱すると、飽和水蒸気量が多くなります。

つまり、分子は一定ですが、分母は大きくなるため、相対湿度は低下します。

暖房を付けることで室温は上がりますが、湿度が低下するのには、

こういったメカニズムがあるのです。

そのため、暖房を付けた際には、必ず加湿をしてください。

そして、体への影響ですが、

風邪のウイルスは200種類以上あると言われてます。

多くは冬季の低温低湿の環境で活動的になります。

ウイルスは湿度の高い環境では、すぐに地面に落下してしまいます。

しかし、湿度が低下すると、ウイルスの水分が蒸発して軽くなるため、

30分程度は空気中を漂うことができます。

その空気中に漂うウイルスを吸い込み、喉や鼻などから感染していきます。

また、空気が乾燥することで、喉の粘膜が乾燥し炎症が起きます。

そういった状態の時にはウイルスを十分に防ぐことができません。

これらが重なることで風邪を引きやすくなってしまいます。 

コロナ禍ではありますが、これから年末年始を迎え、

皆さん、色々なイベントが控えていると思います。

十分な栄養・休息を取り、加湿・加温をし、

風邪を予防しましょう!

そして、元気に良い年末、良い年を迎えましょう!!